もくじ
プロローグ 三つの物語
- 001(その一) P2-4
- 001(その二) P4-6
- 001(その三) P6-7
第一章 夜回りと記者会見――二重の共同体
- 002 第一章(冒頭) P8
- 003 警視庁の不思議な慣習 P9-11
- 004 「表情を読み取れなかったあなたが悪い」 P12-13
- 005 記者と刑事の禅問答 P14-16
- 006 「サツ官ならイエスです」という皮膚感覚 P17-19
- 007 最強の事件記者たち P20-22
- 008 東京行きのチケットをつかむ競争 P23-25
- 009 記者と警察当局がつくる三つの共同体性 P26-29
- 010 いったい何が警察と記者を結びつけているのか P30-31
- 011 「夜回り」と「記者会見」という二重性 P32-34
- 012 ウラの関係性はオモテでは表出されない P35-36
- 013 皆が集まる広場は存在しない P37-39
- 014 そもそも共同体とは何か P40-42
- 015 ソーシャルメディアと<夜回り共同体> P43-45
- 016 「はてな村」は何で結ばれているのか? P46-50
- 017 フィード型という新しいソーシャルメディア P51-54
- 018 共同体は可視化されてこなかった P54-57
- 019 複雑で濃密な二重の共同体 P58-59
- 020 戦後社会がつくり上げた情報と世論の交換システム P60-62
- 021 視座はどこにあるのか? P63-66
第二章 幻想の「市民」はどこからやってきたのか
- 022 第二章(冒頭) P67
- 023 吉本隆明が論じた大衆の原像 P68-69
- 024 中間文化がつくりだしたもの P69-71
- 025 新たな階層社会の出現 P72
- 026 市民運動とはいったい何だったのか? P73-75
- 027 市民運動の「金太郎アメ現象」の本質 P76-77
- 028 新聞記者は市民運動を嫌っている P78-79
- 029 市民運動に対するアンビバレントな感情 P80-83
- 030 「無辜の庶民」と「プロ市民」の間に P84-85
- 031 新聞記者が思い浮かべる「市民」像とは P86-87
- 032 市民とメディアのねじくれた構造 P88-90
- 033 <市民>はいったい誰を代弁しているのか? P91-92
第三章 一九七〇年のパラダイムシフト
- 034 第三章(冒頭) P93
- 035 「加害者視点」が存在しなかった戦後日本 P94-95
- 036 「軍部が悪い」というロジック P96-98
- 037 異邦人は戦後日本でどう扱われてきたのか P99-100
- 038 片言の日本語をしゃべる在日二世たち P101-103
- 039 不気味で怖い存在としての「在日」 P104-105
- 040 「ボクを異国人扱いするな」とアイヌ記者は叫んだ P106-107
- 041 「ノルウェイの森」で緑が語ったこと P108-109
- 042 一九六〇年代の女性が抱えた二つの葛藤 P110-111
- 043 東大闘争は何を目指したのか P112-113
- 044 自己批判の理念とその困難さ P114-115
- 045 「わたしたちの無関心の暗い空洞」 P116-117
- 046 小田実が切りひらいた世界とは P118-120
- 047 「戦争加害者」という新しい視点の出現 P121-122
- 048 「日本民族の犯罪をひきうけなければ」 P123
- 049 中国人青年の自殺 P124-125
- 050 詩では自己否定を乗り越えられない P126-127
- 051 「われらの内なる差別」 P128-129
- 052 一九七〇年七月七日の告発 P130-132
- 053 学生運動が見いだした新たな突破口 P133
第四章 異邦人に憑依する
- 054 第四章(冒頭) P134
- 055 マイノリティ論のオーバードースとは何か P135-136
- 056 <被害者=加害者>論の光と影 P137-138
- 057 「辺境最深部に向って退却せよ!」 P139-141
- 058 辺境最深部から日本社会を見下ろす P142-143
- 059 死刑囚・大森勝久が選んだ「地獄への旅」 P144-145
- 060 「反日亡国論」の狂気 P146
- 061 市民とは何だったのか P147-148
- 062 メディアと<マイノリティ憑依>をつなぐ本多勝一 P149-151
- 063 本多・山口論争が浮かび上がらせた問題 P152-153
- 064 加害者と被害者の間にいるということ P154-155
- 065 「私は殺される側に立つ」という論理 P156-158
- 066 <マイノリティ憑依>から見える気持ちのよい景色 P159
- 067 津村喬の苛立ちと反論 P160-161
- 068 「殺される側」に立つことによる無限の優位性 P162-164
第五章 「穢れ」からの退避
- 069 第五章(冒頭) P165
- 070 神は舞い降りてくる P166-167
- 071 本殿も拝殿もない神社の隠された意味 P168
- 072 何もない空間の絶対性 P169
- 073 神はつねに外から来て外へと帰っていく P170-171
- 074 汚れた人間社会、清浄な神の領域 P172-173
- 075 戦死した兵士たちをどう扱えばいいのか? P174-175
第六章 総中流社会を「憑依」が支えた
- 076 第六章(冒頭) P176
- 077 アル・ジョルソンの人生 P177-178
- 078 黒人に扮して歌い踊る大衆文化の末裔として P179-180
- 079 なぜアル・ジョルソンは忘れられたのか P181-182
- 080 自動車王フォードに排斥されたユダヤ人 P183-184
- 081 黒人への<マイノリティ憑依> P185
- 082 総中流社会を憑依が支えた P186-188
- 083 バブルを象徴する「飽食窮民」という記事 P189-190
- 084 「弱者に光を当て、われらの社会を逆照射せよ」 P191-192
- 085 幻想のマイノリティに落とし込まれるシステムエンジニアたち P193-194
- 086 この記事は誰に送り届けられているのか P195-196
- 087 圏域が同じでなければ共有されない P197-198
- 088 エンターテインメントに傾斜する P199
- 089 一九九〇年代後半の転換点 P200-201
- 090 エンターテインメントとメディア空間の結節点 P202-203
- 091 五五年体制と<マイノリティ憑依>をつなぐもの P204-205
- 092 構造はついに明らかになった P206-207
- 093 しかし道は途絶えている P208
終章 当事者の時代に
- 094 終章(冒頭) P209
- 095 新宿西口バス放火事件の夜 P210-211
- 096 彼はなぜ報道カメラマンになったのか P212-213
- 097 なぜ彼女はバスから逃げ遅れたのか P214-215
- 098 周囲の目は冷たかった P216-217
- 099 事件は家族の生活を破壊しつくした P218
- 100 「映画のセットみたいですよね」 P219
- 101 被災地の瓦礫は二重の層でできている P220
- 102 なぜ河北新報の記事は人の心を打ったのか P221-222
- 103 われわれは望んで当事者にはなれない P223-224
- 104 他者に当事者であることを求めることはできない P225-226
- 105 そこで私には何ができるのか P227
あとがき
- 106 あとがき P228
補遺 なぜゼロリスク幻想は生まれてきたのか
- 107(その一) P229
- 108(その二) P230
- 109(その三) P231
- 110(その四) P232
- 111(その五) P233
- 112(その六) P234
- 113(その七) P235
- 114(その八) P236